COLUMNコラム
目を動かすとき、どこの筋肉を使っている?|外眼筋と後頭下筋群の働きについて
2024.10.13
目の疲れや眼精疲労に悩む人は多いですが、目の動きに関わる筋肉の働きについては説明できない人がほとんど。目の動きを制御する筋肉の機能を知ることは、眼精疲労の予防と改善に役立ちます。
目を動かすときに使う筋肉
目を動かすとき、主に働くのは外眼筋と呼ばれる6つの筋肉です。これらの筋肉は、目の周りに付着し、目を上下左右、あるいは回旋させる働きを持っています。
外眼筋
- 上直筋
- 下直筋
- 外直筋
- 内直筋
- 上斜筋
- 下斜筋
外眼筋の働き
目の動きに直接関与する筋肉で、以下のような場面で働いています。
上下左右の眼球運動
外眼筋は、目を上下左右に動かす際に働きます。例えば、本を読む、テレビを見る、景色を眺めるなど、日常生活の様々な場面で使われています。
輻輳(ふくそう)運動
近くのものを見る際、両眼が内側に寄る運動を輻輳運動といいます。この運動には、内直筋が主に関与しています。スマートフォンやパソコンの使用時など、近距離作業で頻繁に使われます。
開散運動
遠くを見る際、両眼が外側に動く運動を開散運動といいます。この運動には、外直筋が関与しています。遠方を見る、ドライブ中に景色を眺めるなどの場面で使われます。
眼球の回旋運動
頭を傾けたときや、斜めを見る際に、眼球が回旋する運動に関与するのが、上斜筋と下斜筋です。これらの筋肉は、日常生活の様々な場面で無意識のうちに使われています。
衝動性眼球運動(サッケード)
ある注視点から別の注視点へ素早く目を移動させる運動で、読書や映画鑑賞など、視覚情報を素早く処理する際に使われます。
外眼筋は、日常生活のあらゆる場面で常に働いている筋肉です。これらの筋肉を健康に保つことが、目の疲れを防ぎ、快適な視生活を送るために重要となります。
また、外眼筋の動きを制御しているのが、後頭下筋群です。後頭下筋群は、頭部の後下部に位置し、外眼筋の協調運動を調整することで、スムーズな目の動きを可能にしています。
後頭下筋群
- 大後頭直筋
- 小後頭直筋
- 上頭斜筋
- 下頭斜筋
後頭下筋群の働き
後頭下筋群は、頭部の後下部に位置する筋肉群で、主に以下のような場面で働きます。
頭部の姿勢制御
後頭下筋群は、頭部の姿勢を維持するのに重要な役割を果たします。特に、頭部を後方に引く動作(頸部の伸展)に関与しています。正しい姿勢を保持することで、目の疲れを軽減するのに役立ちます。
外眼筋の協調運動の調整
後頭下筋群は、外眼筋の協調運動を調整する働きがあります。例えば、頭を動かしながら目で物を追うような場面では、後頭下筋群が外眼筋の動きを微調整することで、スムーズな視線の移動を可能にしています。
眼球運動の安定化
頭部の動きに合わせて、眼球の位置を安定させるのにも後頭下筋群が関与しています。これにより、頭を動かしても視界が揺れないようにする働きがあります。
姿勢反射の調整
後頭下筋群は、姿勢反射の調整にも関与しています。姿勢反射とは、体の平衡を保つために無意識に行われる反射的な動作のことです。後頭下筋群は、この反射の調整に関与することで、体全体のバランスを保つのに役立っています。
首や肩の緊張緩和
後頭下筋群が過度に緊張すると、首や肩のこりにつながります。これは、目の疲れを悪化させる要因の一つです。後頭下筋群をストレッチすることで、緊張を和らげ、目の疲れを軽減するのに役立ちます。
後頭下筋群は、直接目を動かす筋肉ではありませんが、間接的に目の機能に大きな影響を与えています。この筋肉群の健康を維持することが、眼精疲労の予防と改善に重要な役割を果たします。
外眼筋と後頭下筋群を正常に維持する4つのポイント
適度な目の運動
遠近交互注視やアイロールなどの目の運動を取り入れる
正しい姿勢の保持
頭部や頸部の姿勢を正しく保つことで、筋肉の負担を軽減
定期的な休憩
長時間の近距離作業は避け、こまめに休憩を取る
頸部のストレッチ
後頭下筋群の柔軟性を高めるために、頸部のストレッチを行う
パーソナルジム ノバスでは、眼精疲労の予防と改善に役立つエクササイズやマシンピラティスを提供しています。外眼筋と後頭下筋群の機能を向上させるための運動プログラムを、理学療法士の監修のもと作成しております。ご興味のある方は、ぜひ無料体験からお試しください。
まとめ
外眼筋と後頭下筋群の働きを理解し、適切なケアを行うことで、目の疲れや眼精疲労を予防・改善することができます。日常生活の中で、目の健康を意識した習慣を取り入れ、快適な視生活を送りましょう。