COLUMNコラム
睡眠前のプロテインは危険なの?大学などの研究結果をもとにパーソナルトレーナーが解説
2024.6.23
睡眠前のプロテインは危険なの?などプロテインを飲むタイミングで悩まれている人が多いでしょう。
また、胃に負担をかけて睡眠の質、筋タンパクの合成率は下がるのか?など気になるはずです。
この記事では、プロテインの正しい知識、正しい摂取方法を理解し、より効率的に筋肥大させるプロテインの摂取方法を解説します。
プロテインと睡眠の質
2016年パデュー大学
14名の肥満体型の被験者を対象にした、高タンパク質の食事というのは睡眠の質にどの様な影響を与えるのかの研究が発表されました。
研究の方法は14名の被験者を3つのグループに分けます。
1日に総エネルギーの10%のタンパク質を摂取するコントロール群、20%のタンパク質を摂取する中等度摂取群、30%のタンパク質を摂取する高摂取群でそれぞれ睡眠の質睡眠のスコアを調査し、4週間の期間を設けて、どのグループが最も睡眠の質が向上するのかの分析が行われました。
まずは、夜のプロテインの摂取というよりは1日を通して高タンパク質では睡眠の質はどうなるのかというテーマです。
結果は、高タンパク質の摂取によって睡眠の質、睡眠時間ともに向上するといった結果でした。これはタンパク質の種類は関係なく、どんなタンパク質の摂取によっても睡眠の質が向上し、特にノンレム睡眠の質が向上するというデータが出ています。
つまりプロテインの摂取で1日の総タンパク質量が多くなることによって睡眠の質は上がるということです。
2019年レターケニー工科大学
アスリートを対象にしても高タンパク質の補給によって睡眠の質は上がることが確認されました。なぜ、タンパク質の摂取で睡眠の質が上がるのかというと、研究者いわくトリプトファンによる効果だということが言われています。
必須アミノ酸のひとつであるトリプトファンは幸せホルモンであるセロトニンの前駆体になるので、トリプトファンを体に取り込むことによってセロトニンの分泌が起き、続いて睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンが分泌されます。
メラトニンは、直接的に睡眠の質と睡眠時間を高めます。メラトニンを関節的に分泌させるトリプトファンの摂取こそが睡眠の質を上げるということになります。
つまり必須アミノ酸9種類がすべて入っているプロテインの摂取というのは睡眠の質を下げるどころか睡眠の質を上げることに働きます。
ただし、プロテインの摂取時間、タンパク質の摂取方法によって胃に負担をかけて睡眠の質を下げてしまう可能性が大いにあります。
胃に負担かけるプロテインの摂取
プロテインを摂取してはいけない時間帯、摂取するべき時間帯
胃に負担をかけるかどうかという観点では、夜にプロテインを摂取することについて過度に心配する必要はありません。
しかし、筋タンパク質の合成率を高めたいのであれば、プロテインの種類や混ぜるものが非常に重要です。
まず胃への負担については、夜の食事時間に注意することが最も重要です。多くの研究やメディアで言われているように、寝る直前に食事を摂ると胃に内容物が残った状態となり、体は消化を優先するため、睡眠の質が低下し、体が十分に休めない状態に陥ります。
特に固形物や脂質は消化吸収に多くの血流を必要とします。そのため、睡眠時間をしっかり確保しても、体の疲れが取れない状態に陥ってしまいます。
個人差はありますが、胃の消化には約3時間かかるため、質の良い睡眠を取り、翌朝を充実させたいなら、寝る3時間前に食事を済ませる必要があります。
寝る前にプロテインを摂取する場合も、胃への負担を考えて何で割るかが重要です。
脂質は胃の消化吸収速度を遅くします。特に乳脂肪は胃に負担をかけやすいため、プロテインを牛乳で割って夜寝る前に飲むと、睡眠の質が下がるため避けるべきです。
つまり、睡眠の質を下げるプロテインの摂取法は、夜寝る前にプロテインを牛乳で割ることです。
また、寝る前3時間以内の固形物の摂取も胃に負担をかけるので避けるべきです。通常、水やお茶などの液体は胃に負担をかけませんが、脂質は例外なので注意が必要です。
睡眠中に筋タンパクの合成率が上がるプロテイン飲み方
参照:国立精神・神経医療研究センター三島和夫氏の研究データ
日中に比べて、夜に寝ている間はアミノ酸濃度が低下するため、これを補うためのアプローチが必要です。まずは、筋タンパク質の合成率を上げるためのプロテイン摂取のタイミングです。
固形物については、胃に負担がかかるため寝る3時間前に食べるようにとお伝えしましたが、プロテインの場合は胃の負担よりも血中アミノ酸濃度に注目する必要があります。
プロテイン摂取後、どれくらいの時間で血中アミノ酸濃度が上がるかがポイントです。
この血中アミノ酸濃度の上昇と、睡眠中の成長ホルモンの分泌タイミングを一致させることが、睡眠中に筋タンパク質の合成率を上げるために最も重要です。
成長ホルモンは骨を成長させるだけでなく、筋肉を増やす効果もあるので、睡眠によって成長ホルモンが最も分泌されるタイミングで血中アミノ酸濃度も最大限に高めたいです。
成長ホルモンの分泌は個人差がありますが、睡眠1時間後に大幅な上昇が見られることがわかっています。
プロテイン摂取後の血中アミノ酸濃度
2009年にマクマスター大学が発表した論文の図は、ホエイ、ソイ、カゼインそれぞれの摂取後の血中アミノ酸濃度の上昇率を示しています。
どのタンパク質も摂取後30分から1時間程度で血中アミノ酸濃度が最大に上がることがわかります。
したがって、寝る前15分から30分前にプロテインを水で飲むことで、血中アミノ酸濃度が最も高い状態で成長ホルモンの最大分泌を迎えることができるのです。
つまり、筋タンパク質の合成率を上げるためのプロテイン摂取の最適な時間は、寝る15分から30分前ということになります。
ただし、これだけで寝ている間のアミノ酸濃度の低下を防ぎ、筋タンパク質の合成率を上げることはできません。
睡眠中のプロテイン摂取には、時間だけでなくプロテインの種類や量も重要です。ホエイ、ソイ、カゼインは長期的には効果に大きな差はありませんが、睡眠時のプロテイン摂取では効果に違いが出ます。
睡眠中はアミノ酸濃度が低くなりがちなので、寝ている間に筋タンパク質の合成が起こりにくいからです。
参照:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット 食事バランスガイド(基本編)
まとめ
基本的に、寝る前の3時間以内に固形物を摂取することは胃に負担をかけ、睡眠の質を低下させるので避けるべきです。
ただし、1日を通してタンパク質の摂取量を増やすことで体内のトリプトファン濃度が上昇し、メラトニンの分泌が促進されることで睡眠の質が向上します。
液体のプロテインは胃に負担をかけないため、高容量のプロテイン摂取は睡眠の質の向上に貢献します。そして、睡眠の質を上げるだけでなく筋タンパクの合成率を高めたい場合は、寝る15分~30分前に水で割ったカゼインプロテインを30gから40g摂取することが必要です。
適切な条件が整えば、睡眠中に筋肉が成長するので、ぜひ試してみてください。
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