COLUMNコラム
男女で筋トレの方法は違うの?|性別による体の違いと意識するポイントを解説
2020.12.31
男女で身体のつくりが異なることは誰もがご存知ですよね?
- 同じようにトレーニングをしていて問題ないの?
- 男女でトレーニング方法を変える必要があるの?
- 女性の方が男性に比べて筋肉がつきにくいのでは?
といった疑問を持っている方も少なくないのではないでしょうか?そこで、今回は男女の身体のつくりと筋トレ方法で意識すべきポイントについてご紹介します。
筋肉の質に男女差はない
「男性と女性では筋肉の質が違うのでは?」
と思っている方もいらっしゃるかもしれませんが、実際には筋肉自体に男女差はありません。実際に、うまくトレーニングをすることで男性よりも女性の方が高い効果を得られた例も少なくありません。
そのため、理論上は「女性の方が男性に比べて筋肉をつけるのが難しい」ということはありません。
女性は男性より筋肉の総量が少ない
筋肉の質は同じでも男女で筋肉のつきかたに違いが生まれる理由は筋肉の総量が異なるからです。どんなにトレーニングをしても女性は男性と同じ身体にはなりません。
筋肉の総重量を比較したとき、背筋、握力、脚力などの総量は、女性は男性の約60%程度となっています。
また、男女の筋肉量は上半身と下半身で違います。
上半身:男性の約70%
下半身:男性の約85%
上半身に比べ、下半身の方が男女差が少なくなっていますね。上半身よりも下半身を鍛えた方が筋肉がつきやすいため、競技においても、ダイエットにおいてもまずは下半身のトレーニングを意識した方が効率的に筋力をアップさせることができます。
男女の身体の違いについて
女性より男性の方が力が強く、筋肉質というイメージはありますよね?逆に女性は脂肪が多く、トレーニングをしてもなかなか筋肉がつきにくいというのが一般的なイメージではないでしょうか。
実は、女性がなかなか筋肉がつきにくいのは「男性ホルモン」の分泌量が少ないことも関係しています。
男性ホルモンの中には筋肉ができる過程において欠かせない「テストステロン」が含まれているため、分泌量が少ない女性にとっては筋肉をつけるのが難しい理由のひとつとなっています。
もちろん、女性にも男性ホルモンは分泌されていないわけではありません。ただ、テストステロンの分泌量は、女性に比べて男性の方が15倍もあると言われています。
女性ホルモンについて知ろう
男性ホルモンが少ない分、女性には女性ホルモンが多く分泌されています。それは、女性らしさや排卵に関わる「エストロゲン」と、妊娠に関わる「プロゲステロン」のふたつ。
それぞれにさまざまな効果がありますが、ダイエットやトレーニングに関して言えば、下記のような特徴を持っています。
エストロゲン(卵胞ホルモン)
脂肪の燃焼を促し、骨からカルシウムが溶けだすのを防いでくれます。ダイエットに効果的に働いてくれる反面、更年期前後は分泌が減ってしまうことが多く、骨粗しょう症のリスクも高まってしまいます。
プロゲステロン(黄体ホルモン)
排卵後から月経がスタートするまでに分泌されるホルモンです。身体がむくみやすくなったり、精神的に不安定になったりすることもあり、どちらかというとダイエットやトレーニングには邪魔になってしまうことが多いです。
女性ホルモンの分泌サイクルを考えたトレーニング
エストロゲンとプロゲステロンは、いつも同じ量が分泌されている訳ではなく、排卵のサイクルによって多かったり少なかったりします。
だから、女性の場合エストロゲンが多く分泌されている時期がダイエットのチャンス。
心身共に快調な事が多く、集中力もアップするので、効果的なトレーニングになりやすいです。
分泌サイクル
- 生理開始~1週間:エストロゲン・プロゲステロン共に同量程度
- 生理終了~排卵前:エストロゲンの分泌量が増加
- 排卵前後3~5日:プロゲステロンの分泌量が増加
- 排卵後~生理まで:エストロゲンの分泌量が減少
分泌量から女性ホルモンのバランスを考えると、排卵日から生理開始まではプロゲステロンの比率が高く、生理中は同量。生理後から排卵まではエストロゲンの分泌量が多い。という流れになります。
女性がダイエットに取り組む場合、生理終了~排卵前までの期間が最も効果を得やすい時期ということになります。
排卵後~生理終了までは、トレーニングを続けていても結果が出にくいことが多いです。
そのため「結果が出にくい」ことをきちんと理解しておかないと「頑張っても結果が出ない」と、マイナス思考に陥ってしまうかもしれません。
男性に比べて女性の方が「体重が落ちにくい時期が多い」ため、ダイエットの挫折ポイントになってしまう可能性が高いかもしれません。
まずは、自分の身体のことや、その理由ついて理解し、意識してトレーニングに取り組んでください。
参照:厚生労働省 生活習慣病予防のための健康情報サイト e-ヘルスネット 若い女性の「やせ」や無理なダイエットが引き起こす栄養問題
男女でトレーニングサイクルを意識する
では、女性は男性と同じように下半身をトレーニングすれば少なくとも85%の結果が得られるのかというと、残念ながらそれも違います。
体の構造以外にももうひとつ、男女で大きく異なる部分があります。それは、トレーニングへの取り組み方。
トレーニングのサイクル
まず、男女の違いを説明する前にトレーニングの基本的なサイクルについておさらいしておきましょう。
- トレーニング
- 栄養の摂取
- 休養・回復
トレーニングは、ただひたすら続けていればどんどん筋肉がついてくるというものではありません。
筋トレや有酸素運動をした後は、しっかりと食事をとり、睡眠などで休養する時間をとることで身体に備わっていきます。
アスリートがトレーニング直後にプロテインを摂取するのも、運動した直後の方が「栄養を吸収しやすいから」というのが最大の理由。
トレーニングだけでなく、栄養の摂取と休養を意識することが、より高い効果を生むポイントとも言えます。
男女のトレーニング方法の違い
すでにお気づきの方も多いかもしれませんが、男女において、トレーニングと栄養の摂取、休養・回復の考え方が大きく異なります。
そのため、トレーニングメニューを組む際に意識的に取り入れた方がより高い効果を得ることができるようになります。
男性
自分を極限まで追い込むトレーニングが可能です。1回のトレーニングをいかに密度が高く、効果的にできるかがポイントです。
女性
自分を極限まで追い込むトレーニングは難しいです。その分疲労回復が男性より早く、回数をこなすことで高い効果を得ることができます。
男性のアスリートの方や、部活で毎日練習をしていた方なら、練習後、しばらくご飯を食べられなくなるような極限まで追い込んだトレーニングを経験したことがある方もいらっしゃるのではないでしょうか。
一方、そんな姿を見ながら女性は「どうしてあそこまでキツイトレーニングができるのだろう?」と疑問に思ったことがあるかもしれません。
男性に対し、女性は自分の身体を防御する力が作用するため、トップアスリートであってもそこまで追い込んだトレーニングは難しくなっています。
ただ、女性は筋肉の総量が少なく、食事自体も男性ほど食べられないという方が多いので、1回のトレーニングに対する量や強度を男性よりも低く設定しても問題ありません。
アスリートなど、「高い効果を得たい!」と思っている方は、男性に比べて女性の方が優れている「回復力」を利用し、回数を増やすことでより高い効果を生むことが可能です。
男女ではなく個人差を考えよう
今回は、男女差についてこまかくご紹介しましたが、トレーニングは男女だけでなく個人1人ひとりによっても変えていく必要があります。
得意なトレーニング、鍛えたい箇所、効果が出やすい方法など、すべてを考えた上で、1人ひとりに合わせたトレーニングをすることが、早く、高い効果を得ることに繋がります。
そして、早く、高い効果が得られれば、意欲もわいてきて、継続的にトレーニングに取り組むことができるようになります。
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